前述したように、人や組織が絡む問題においては、その部分的な問題の解決策を図ったのでは効果が出るどころか、逆に新たな問題を生むことがあります。
なぜなら組織の全体の構造やつながりを理解しないまま部分的な問題にだけに目を向けてしまい、その問題につながっていた部分に影響を与えてしまうからです。
人や組織が絡むシステム内では「個々の能力」よりも「人と人とのつながり力」がパフォーマンスに大きな影響をもたらします。
野球の試合に例えると「スター選手ばかり集まった個々の能力は非常に高いがつながりがなくバラバラなチーム」と「スター選手は少なく個々の能力も平凡だがつながりやチームワークは抜群に良いチーム」が試合をした場合は後者のチームがあっさりと勝つことは珍しいことではありません。
それだけ「つながり力」が発揮するパフォーマンス能力は高いとも言えます。
組織は個々のつながりの中で相互作用を起こし、変化をもたらし、弱みを打ち消しあったりする力を出すことができるものなのです。